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2008年01月16日

映画『PAN'S LABYRINTH』劇場鑑賞

PAN'S_LABYRINTH 去年の10月に『スマステ』の「月イチゴロー」で吾郎ちゃんが、「コトイチ!(今年一番!)」と大絶賛していた映画『PAN'S LABYRINTH』をやっと観に行くことができました。
 単館ロードーショー向けの作品なんですが、去年の10月に公開されたにも関わらず、口コミなどで話題や人気が広まり今でもロングラン上映が続いています。今年の3/28にDVD発売も決まっていますが、去年のアカデミー賞で撮影賞や美術賞などを受賞しているので、やはり劇場のスクリーンで観たいという気持ちが強く、願い叶って観に行けて良かったです。

 時代は1944年のスペイン。内戦は終結したものの、Francésの独裁政権に反旗を翻すゲリラは山奥に潜み抵抗を続けていた。御伽噺が大好きな少女Ofeliaは、母親と共に将軍が任務に就いている山奥の駐屯基地に向かった。母親が将軍と再婚して子供を身篭った為だったが、Ofeliaは体調を崩してしまっている母親を心配し、愛情のない将軍の言動に不安を覚えていた。しかし、基地に向かう途中で、Ofeliaは不思議な虫に遭遇する。そして、その虫は妖精だと確信したOfeliaは、その虫の導かれるままに不思議な世界を体験していく。

PAN'S LABYRINTH2 …という内容で、妖精も出てくるし一見ファンタジー作品のように見えますが、実際はそんな幻想的なものだけではありませんでした。PG-12という指定が付いているだけに、現実世界を観るのが辛くなるくらいリアルに残酷に描写しているし、幻想的な世界の描写も『The Lord of the Rings』のようなグロテスクなものが多かったです。特に虫系が弱い人は苦手な作品かもしれません。
 鑑賞前までは「不思議の国のアリスのダーク版かな」みたいに思っていたんですが、鑑賞後はファンタジー作品ならではの不思議な世界を堪能しつつも、戦争映画を観たような重苦しさも残った感じがしました。

 この作品のラストは鑑賞した人によって印象や意見が分かれると思います。わざとそういう作りにしている節もあるし…。私はハッピーエンドだとは言い切れないけど、綺麗なラストだったというところでしょうか。でも、本当に観て良かったと思いました。最近は映画館離れしていたので、久しぶりに心にズーンとくる映画を観た気がします。
 別に宗教的な話ではないんですが、「何を信じるか」、「何を疑うか」ということで、その人間の心や幸福の価値観も変わってくるというということかな。吾郎ちゃんが好きそうな世界です。

 大人向けのダークファンタジー作品というか、大人に観て欲しいファンタジー作品だと思います。


【注意】以下、ネタバレを含む感想になります。


PAN'S LABYRINTH3 ラストの結末の意見や印象は観る人によって分かれると先に書きましたが、それは主人公のOfeliaが経験したことをどう捉えるかによります。
 Ofeliaは妖精に導かれて、自分が地下の世界に存在する国の王女の生まれ変わりだと知らされますが、王女として国に戻る為には満月を迎えるまでに「3つの試練」を乗り越えなくてはいけません。Ofeliaは果敢に挑戦していきますが、この言動が実際に起きていることなのか、はたまた現実に疲れきったOfeliaが現実逃避の為に見ている妄想なのか、作品上では明確に描写していない分、鑑賞している人の想像に委ねられています。

 この作品の中で、将軍の独裁政権に従わない医師が、従わない理由を「何も疑問も持たずに従うだなんてできません。それでは、心のない人間になってしまう」と言います。Ofeliaも、「最後の試練」で、この言葉のをそのまま行動に表しています。結果、Ofeliaは命を落とすことになりますが、その選択は間違っていなかったと本人は確信しました。

PAN'S LABYRINTH4 Ofeliaの見た幻想世界を知らない者からすれば、Ofeliaは哀れな死を遂げた不幸な少女だったという位置付けに終わってしまいますが、Ofelia自身にとっては決して不幸な結末ではなかった。
 純粋な心を持ち続けた人間は、傍から見れば哀れな死に方をしても、本人にとっては幸せな死だったかもしれない…そういう気持ちにさせられる作品でした。だから映画を観終わった後、Ofeliaを失った喪失感みたいなものは感じなかったのかも。

 大切な存在を失った人が、その失った存在の魂が死してもなお幸せでありますように…と願いを込めた気持ちと、この作品のテーマは似ているかもしれません。
posted by ななんぼ at 23:01 | Comment(8) | TrackBack(24) | MOVIE-2008
この記事へのコメント

ななんぼさま、はじめまして!
弊Blogにコメント頂きましてありがとうございました♪
Blogをざっと読ませていただいたのですが、私もスマステウォッチャー(SMAP吾郎さんファンが友達!)&
元バレーボーラーのためバレーボール鑑賞が趣味&
「相棒」大好き&映画も大好き!!&そして管理画面が重たいSeesaa Blogger(笑)と
ななんぼさまと共通点が多くて、読んでいてうれしくなりました〜。
また遊びにこさせていただければと思いますm(__)m
Pan'sのラストは、皆さんのコメントに裏打ちさせていただいたおかげで
ハッピーエンドなんだよなあ、やっぱり、と思うことができるようになりました。
戦争という重たいテーマが隠れているからこそ、
あの「きれいさ」が際立ったのかもしれませんね。
Posted by こたえ at 2008年01月17日 01:10
こんばんは☆
ゴローちゃん、一押しの作品だったのですか〜。
あまりの評判の良さにたじろいでいた私;ですが、見に行って納得しました。
現実とファンタジーは、もっと密接な世界観だと思うんですよね。大人になればなるほどそれを忘れてしまうのが哀しいところですけど;
オフェリアはとっても勇敢でした。そんな姿には心揺るがされずにはいられません。
何を信じるか…いつも柔軟な心を持っていたいものですね。
Posted by シャーロット at 2008年01月17日 20:57
こんばんは♪
TBありがとうございました!
うわ〜ゴローちゃんイチオシだったのですか?
私とはいつも好みが違うな〜って思っているのにな(笑)
現実と空想(?)の世界が上手くリンクしていて本当に魅せられました。
>失った存在の魂が死してもなお幸せでありますように
あのラストはいろんな見方ができますが、せめてあの世界ではオフェリアの幸せそうな顔が見られて救われました。
Posted by ミチ at 2008年01月18日 18:38
>こたえsan
コメントありがとうございます。

あら〜♪すっごく共通点が多いですねvvv
かなりマニアックな方面で共通項が多いような(笑)
これだけ長く使っておいてなんですけど、
ホントに時間帯によっては激重blogですよね…。
でも、愛着沸いちゃっているんですけど(笑)

あ、映画の話題になっていない。
予想に反した内容でしたが、非常に深みのある綺麗な映画でしよね。
「綺麗」て言葉はこの映画のラストのことを言うんだろうなって思いました。



>シャーロットsan
コメントありがとうございます。

そうなんですよ〜。吾郎ちゃんイチオシでした。
それはもう、在り得ないくらい(笑)大絶賛していて、
「こ、これは観なくては…!」て思いました。

子供の頃て現実と空想の差が曖昧でしたよね。
それが大人になるにつれ空想から現実になるという発想が無くなっちゃうのかな。
あのOfeliaの心の優しさというか、無垢さが本当に切なかったです。



>ミチsan
コメントありがとうございます。
吾郎ちゃん、この作品大絶賛していました。
それに、いつも吾郎ちゃんと意見の合わない大平アナも大絶賛。
その2人のやりとりを見ただけで「この作品凄いんだ」って思いました。

この作品、凄く現実的な考え方で観ると救いようのない悲しいラストになりますが、
ちょっと見方を変えるだけでもだいぶ印象が変わりますよね。
私もあのラストのOfeliaの表情が全てを語っていると思いました。
Posted by ななんぼ@管理人 at 2008年01月18日 23:10
はじめまして。トラバありがとうございます。
この作品、作りやカテゴリーはファンタジーには違いないんですが、私は空想と現実…という二極的な捉え方ではなく、どっちも現実として描いていると捉えています。
でないと、将軍が男の子にこだわったり、迷宮に入って来るあたりが説明できないから…。
そもそもプロローグからしてオフィーリアの断末魔から始まるとんでもない話ですよね。主人公の死から始まるなんて社会派の名作『サンセット大通り』くらい?
いずれにせよ、死後の世界を肯定しないとこの時代の悲劇はあまりにも受け入れがたいというのもあるのかもしれませんが…

わたしも“よろづ屋”を基本ハンドル(よろ川長TOMは映画用)にしていますように、なんやかんや書いてますので、これからもよろしくお願いします。
Posted by よろ川長TOM at 2008年01月31日 16:40
>よろ川長TOM san
コメントありがとうございます。

「ファンタジー作品」として捉えるにしては、現実的な部分が多く、「人間ドラマ」として捉えるには、ファンタジー要素が強く、なんとも不思議な雰囲気の作品でしたね。

そうそう。プロローグから凄かったですよね。この作品てラストシーンを最初に撮影していた感じがします。あのラストシーンを活かしたいからこそ、御伽噺のようなエピソードを冒頭にもってきて、「死後の世界=幻想的な世界」は存在するって認識を観客に強く持たせようとしたのかもしれません。

お互い「よろずや」なので、好き放題に語りましょうねっ。
Posted by ななんぼ@管理人 at 2008年01月31日 22:14
TBありがとう。
この作品のインパクトのひとつは音楽でしょうね。あの「子守唄」はずっと、耳を離れません。
幻想世界と現実世界の転換のところで、きちんと、音楽が効果的に使われてもいます。
Posted by kimion20002000 at 2008年02月01日 08:14
>kimion20002000さん
コメントありがとうございます。

この作品は音楽が印象的に使われていましたね。「歌詞も知らないけど」と歌われていた子守唄は、彼女にとってのレクイエムに感じました。
Posted by ななんぼ@管理人 at 2008年02月01日 22:16
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